ツッコミしろ
ちさきとはお笑い好き同士で繋がって仲良くなった。
お互いなれることなら芸人になりたいなんて話をしたりして、付き合うときはコンビ結成だななどと話していた。
その割にである。
この僕ときたらボケもせず、ツッコミもせず、受身にお笑い番組を消費するか、そこそこのエピソードトークをするばかりで芸人みの欠片もないのである。
そりゃあ別れを切り出さられるわけだ。
(他にも改善点はおおいにあろうが)
言い訳させてくれ。
好きすぎて頭が回らないのだ。一緒にいるとぽわぽわしていてボケるどころではなくなってしまう。たまにボケが頭をよぎってもなんか恥ずかしくて流してしまう。
好きと笑いは近いようで対極の概念なのかもしれない。
シェアハウスではつっこみ当番であったりもするのだが、ちさきの言うことは全て受け入れてしまってつっこむということがない。よくない。
僕はちさきには笑って欲しいのに。
そこで僕は対策を打つ。
最近ちさきと会う前に強めの酒を一気飲みして、ちょっと陽気なってから行く。
しかし、これも酒が強いのであまり効果が出ていない。
自覚的に恥ずかしさを乗り越えボケて行かなきゃならない。
ちさきのツッコミしろ(ツッコミ出来る余地のこと)を見逃してもいけない。
今日はツッコミしろをスルーしてしまった。
全くこういうところである。
ちさきはつっこんで欲しかったかもしれないというのに。
明らかにキティちゃんを匂わしている。
後からちょっとだけ乗せたけど、鮮度が落ちている。
あんまりおもしろにならなかった。
ごめんな、ちさきはすぐつっこんで欲しかったのに。