ドーナツと入れ歯
葛藤の末、終電前に追い出されることを甘受した僕であったが
1時間半もかけて自分のベッドのない家
に帰ることを良しとはしなかった。
(シェアハウスを運営しており、昨日は泊まるつもりでベッドを客に貸していた。)
妥協案として明日の朝ご飯を作りに来る約束をし、ちさきのおすすめ漫画を読みに漫喫に行ったのである。
ちさきおすすめの漫画、読みたい漫画の続巻、若干エロい漫画を部屋に持ち込み、充実の漫喫ライフを満喫
(ちさきにはおすすめと、続巻を読んできたと話した)
朝8時、会計を済まし揚々とちさきの家に帰ると、いつもよりピンポンからの解錠が遅い。起こしてしまった申し訳ない。
ちさきは昨日よりだいぶ元気そうだった。
朝ごはんもしっかり食べてくれて、安心した。
ごはん作ったら僕は帰る約束。仕事の邪魔をしてしまうので。
駅前のミスドでフレンチクルーラーを食べながこれを書いている。
朝のミスドはお婆ちゃんが多い。
正面に見えるお婆ちゃんが険しい顔で入れ歯を入れている。
と思ったら普通にドーナツを食べている。
お婆ちゃんのドーナツと入れ歯との顔は同じだったのか。
今度ちさきと見に来よう。
入れ歯と同じ顔でドーナツを食べるお婆ちゃんを。
どっちが入れ歯顔でドーナツ食べるか勝負しよう。